不眠で何科を受診すべきか迷ったら、ストレスや不安が原因なら「心療内科」、身体の不調や持病があるなら「内科」を選びましょう。判断がつかなければ、まずかかりつけの内科へ相談するのが近道です。
「眠りたいのに眠れない」苦しみは、仕事への不安や日中の倦怠感を招き、心身を深く削ります。「今夜も眠れなかったら」という焦りで症状を悪化させる前に、原因に合った診療科を選ぶことが、早期改善への鍵となります。
不眠症とはどのような状態か?放置してはいけない診断基準
不眠の悩みは誰にでも起こりうるものですが、医学的な「不眠症」と一時的な「寝不足」には明確な境界線があります。
「最近ちょっと眠れないだけだから」と自己判断で放置すると、脳の覚醒システムが誤作動を起こし続け、自律神経失調症や生活習慣病の引き金になることも珍しくありません。
まずは、あなたが直面している状態が治療を必要とする「不眠症」の段階にあるのか、その基準と種類を正しく理解しましょう。
不眠症の定義と4つのタイプ
医学的には、睡眠を阻害する要因が取り除かれている環境(静かな部屋、適切な寝具など)があるにもかかわらず、以下の症状が週に3日以上あり、それが3ヶ月以上(慢性不眠症の場合)続いている状態を指します。
不眠症には、大きく分けて以下の4つのタイプがあります。
- 入眠障害:布団に入ってから寝付くまでに30分〜1時間以上かかる。
- 中途覚醒:眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めて再入眠が難しい。
- 早朝覚醒:起きたい時間の2時間以上前に目が覚め、そのまま眠れない。
- 熟眠障害:睡眠時間は確保できているが、起きた時にぐっすり寝た感覚がない。
不眠症の診療科選びで迷ったら「まず何科」へ行くべきか?
いざ受診しようとしても、診療科によって得意とするアプローチは大きく異なります。「自分の不眠が心から来ているのか、体から来ているのか判断がつかない」と、受診の第一歩で足踏みしてしまう方は多いでしょう。診療科選びで後悔しないための鉄則は、あなたの睡眠を妨げている「一番の原因は何か」を推測することです。ここでは、迷ったときの判断基準と、効率的な受診の進め方を整理します。
基本的な考え方
- ストレスや不安、気分の落ち込みがある:心療内科・精神科
- 身体的な持病(高血圧・糖尿病など)や生活習慣の乱れがある:内科
- いびき、無呼吸、足のむずむず感など特殊な自覚症状がある:睡眠外来・睡眠科
どこに行けばいいか本当に判断がつかない場合は、まずは「かかりつけの内科」を受診し、医師の判断を仰ぐのが最も効率的です。医師が症状を整理し、必要に応じて適切な専門医への紹介状を作成してくれます。
心・生活習慣が原因の不眠に最適な受診先
現代社会における不眠の約半数以上は、心理的なプレッシャーや多忙なライフスタイルによる自律神経の乱れが原因と言われています。
仕事の悩みや家庭のストレスは、脳を常に「戦いモード(交感神経優位)」にしてしまい、夜になってもスイッチが切れない状態を作り出します。
このようなケースでは、睡眠薬で強制的に眠るだけではなく、根本的な「眠れない背景」にアプローチできる診療科が鍵となります。
精神科・心療内科での診療の特徴と適している症状
「精神科に行くのは少し敷居が高い」と感じる方もいるかもしれませんが、現在の心療内科において不眠は最も一般的な相談内容の一つです。
適している症状
- 仕事のプレッシャーや人間関係で悩み、夜に考え事が止まらない。
- 「また眠れないのではないか」と寝る前に強い不安を感じる。
- 不眠と共に、イライラ、焦り、気分の落ち込みがある。
診療のメリット
心療内科では、不眠を「心のSOS」として捉えます。単に眠らせるだけでなく、背景にあるストレスへの対処法や、うつ病・適応障害の可能性を専門的に評価します。依存性の少ない最新の睡眠薬を用いた治療や、心の緊張を解きほぐすアプローチが受けられるのが特徴です。
【参考】休養・こころの健康|厚生労働省
内科での診療の特徴と適している症状
内科は身体全体を総合的に診る診療科であり、身体的な違和感が不眠を招いている場合に力を発揮します。
適している症状
- 不規則な生活(夜勤や交代制勤務など)による生活リズムの崩れ。
- 高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある。
- 体力低下や、原因不明の身体のダルさが主訴である。
診療のメリット
内科では、血液検査などを通じて内臓疾患やホルモン異常(甲状腺など)が不眠に関与していないかをチェックします。「心の病気とまでは思えないけれど、体調が悪いせいで眠れない気がする」という方にとって、最初の相談窓口として非常に安心感があります。
身体的な疾患が隠れている不眠の受診先
眠れない原因が、実は自分の意識や心の問題ではなく、身体の構造や神経のトラブルにある場合があります。この場合、いくらリラックスしても改善せず、むしろ特定の疾患に合わせた専門的な治療が必要不可欠です。
以下に挙げる症状に心当たりがある場合は、一般的な内科や心療内科よりも、より専門性の高い外来を検討すべきです。
睡眠時無呼吸症候群やいびき:耳鼻咽喉科・睡眠外来
「しっかり寝たはずなのに、日中に猛烈な眠気がある」という方は、睡眠中に呼吸が止まっている可能性があります。
- 主な症状:大きないびき、起床時の頭痛、日中の強い眠気。
- 対応:耳鼻咽喉科や睡眠外来で、睡眠中の呼吸状態を測る検査(PSG検査など)を行い、CPAP(持続陽圧呼吸療法)などの専門治療を受けます。
むずむず脚症候群や異常行動:睡眠専門医療機関・神経内科
- 主な症状:夜、足がむずむずしてじっとしていられない、眠っている間に暴れる・大声を出す。
- 対応:脳や神経の働きに関連する疾患の可能性があるため、専門的な睡眠外来を受診するのがベストです。
不眠症の治療方法と経過はどうなる?
病院での治療は、単に強い睡眠薬を処方されるだけではありません。現代の医療では、「薬」と「生活習慣の再構築」を組み合わせることで、最終的には薬なしでも自然に眠れる状態(寛解)を目指すのが標準的な流れです。
睡眠衛生指導(生活習慣の見直し)
まずは、薬に頼らなくても眠れる環境を作ります。
- 光の調整:朝に日光を浴び、夜はコンビニやスマホの光を避ける。
- 体温管理:寝る90〜120分前に入浴し、深部体温を下げる。
- 刺激制限:寝室でスマホを見ない、「布団は眠るためだけの場所」と脳に再学習させる。
薬物療法
現在の不眠症治療薬は非常に進化しており、かつての「依存しやすくやめられない薬」から、「自然な眠りをサポートする依存性の極めて低い薬」が主流になっています。
医師の指導のもとで適切に使用すれば、睡眠の質を上げ、症状が落ち着けば段階的に薬を減らし、最終的には卒業することを目指せます。
まとめ:不眠で病院に行くタイミングを逃さないで
眠れない日々が続くと、人は「いつか治るだろう」という楽観と、「一生このままだったらどうしよう」という不安の間で揺れ動きます。
しかし、不眠は放置すればするほど脳が「眠れないパターン」を学習してしまい、治療に時間がかかるようになります。
少しでも日中のパフォーマンスに支障を感じているなら、それはあなたの体が専門家の助けを必要としているサインです。
アウル五反田駅前心療内科では、不眠の裏に隠れた心の悩みから、生活習慣のアドバイスまで、一人ひとりに合わせた診療を行っています。五反田駅から徒歩ですぐの立地で、お仕事前・お仕事帰りでも相談しやすい環境が整っており、品川区・大田区・港区の幅広いエリアから多くの患者様にご来院いただいております。
不眠は何科に行くべきか迷う症状ですが、当院のような心療内科は、身体と心の両面から不眠へアプローチできる「最初の窓口」として非常に適しています。
「今夜も眠れないかもしれない」という不安を、今日で終わりにしませんか?
一人で抱え込まず、まずは専門医にご相談ください。