あなたの気持ちに寄り添う診療を

社交不安症(社交不安障害)とは、人前で話すことや注目を浴びるなど特定の状況で、過度な不安や緊張を感じる障害です。

特に「失敗したらどうしよう」「恥をかいたらどうしよう」と考えすぎてしまい、学校や仕事、人間関係に影響を及ぼすことがあります。
単なる「恥ずかしがり屋」や「内気な性格」とは異なり、不安が生活に支障をきたし、避ける行動が増えてしまうのが特徴です。適切な治療やサポートを受けることで、症状を改善し、日常生活をより快適に過ごすことができます。

こんな症状はありませんか?

以下のような症状が続いている場合、社交不安症の可能性があります。

・人前で話すときや発表の場面で極度に緊張し、頭が真っ白になる
・目立つことを恐れ、発言や質問を避けるようになる
・人と話すときに動悸・発汗・震えなどの身体症状が出る
・失敗を恐れて、飲み会や集まりを避けることが増える
・特定の状況下で「笑われるかもしれない」「嫌われるかもしれない」と過剰に気にしてしまう

これらの症状が長期間続き、日常生活に影響を及ぼしている場合、社交不安症の可能性があります。

社交不安症の種類

社交不安症には、特定の状況に対して強い不安を感じるタイプがあり、日常生活に影響を及ぼすことがあります。

1. 電話恐怖症(テレフォビア)

電話をかける・受けることに極度の緊張を感じる症状です。「相手にどう思われるか不安」「会話が途切れたらどうしよう」と考え、電話を避けるようになります。仕事や人間関係に影響が出ることもあります。

2. 会食恐怖症(食事恐怖症)

人と一緒に食事をする際に強い不安を感じる症状です。「食べる姿を見られるのが恥ずかしい」「緊張して食べられなくなるかもしれない」と考え、外食や食事の機会を避けるようになります。

3. 嘔吐恐怖症(エメトフォビア)

嘔吐することに対して極端な恐怖を感じる症状です。「吐いたらどうしよう」「周りに迷惑をかけるのが怖い」と不安になり、外食を避けたり、特定の食べ物を口にしなくなることがあります。

4. 腹鳴恐怖症

静かな場所や人前でお腹が鳴ることを極端に恐れる症状です。「授業中や会議中にお腹が鳴ったら恥ずかしい」と考え、食事の時間を調整したり、人前に出ることを避けるようになります。

このような治療を行います

認知行動療法

社交不安症に最も効果的な治療法の一つが認知行動療法(CBT)です。不安を引き起こす考え方のクセを見直し、適切な行動パターンを学ぶことで、徐々に社交場面への恐怖を軽減していきます。

曝露療法(エクスポージャー)

不安を感じる場面を避け続けると、恐怖心が強まることがあります。そのため、少しずつ社交場面に慣れていく練習を行い、不安を克服できるようサポートします。

薬物療法

症状が強い場合、不安を軽減する薬を処方することもあります。主にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や抗不安薬を使用し、不安や緊張を和らげます。

リラクゼーション・ストレス管理

呼吸法やマインドフルネスなどのリラクゼーションを取り入れ、不安や緊張をコントロールする方法を学びます。また、ストレスの原因を整理し、日常的なストレスマネジメントをサポートします。

社交不安症は、適切な治療を受けることで克服できます。
「人前が怖い」「緊張しすぎて困る」と感じたら、一人で悩まずにぜひご相談ください。